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オヤノコト.エキスポ2008

高齢の親が快適に毎日を過ごせるように、子どもたち自身が必要な商品やサービスを集める…そんなコンセプトに基づく初めての展示会「オヤノコト.エキスポ2008」を、7月5日(土)〜6日(日)に有楽町・東京国際フォーラムにて開催しました
(主催:バリアフリーライフエキスポ開催委員会、事務局:株式会社イント・コーポレーション)。
大勢の家族連れを含め、2日間で合計21,158名の人が来場しました。

「親のため」であり「自分のため」でもある

高齢になってから介護や快適生活に役立つものを探すのはなかなか大変なこと。
そこで、子どもたちが親に代わって必要な商品や情報を集め、かつ自分たちのライフスタイルもこれまでどおり維持できるようにしようというのが、「オヤノコト.エキスポ」のテーマです。
会場では、親世代といっしょに熱心に商品を見て回るご家族の姿が数多く見られました。

東京都小金井市の岡村昌美さん(42歳)は、父・訓行さん(75歳)と母・敏美さん(75歳)とともに、「いかに楽して介護するかのヒントを探しに来ました(笑)」。
訓行さんは歩行に不安があるため、まずは積極的に外出するための用具を求めて歩行器コーナーへ。
用具を使うのに抵抗があったという訓行さんですが、会場で実際に試すと意外に便利で感心の様子です。
収納カゴも取り付けられると知り、「あらお父さん、これなら買い物も頼めるじゃない(笑)」と敏美さんと昌美さん。
訓行さんも「なかなかよさそうだな」とニッコリうなずきます。「用具に前向きになるきっかけがつかめた。来てよかったです」(ご一家)。

小さな子どもたちと来場したのは、井上登さんご家族。
奥様は「父の耳がだんだん遠くなってきたみたいなので」と、補聴器コーナーに相談に立ち寄りました。
また「おばあちゃんへのお土産に」と、ユニバーサルデザインの箸を子どもたちと選んで購入。「喜んでもらえるといいね」と家族で顔を見合わせます。

「親のため」というコンセプトは、出展者にも好評です。
「自分の関心のある商品しか見ていかないような方でも、『親のため』となると、“ひょっとしてこういう商品も親には必要かも”とあちこちに関心を広げて見ていきやすい。 また『親のため』からさらに“近所のおばあちゃんにも薦めたら良さそう”と見ていく人がいて、ターゲットが広がりそうです」(出展者)。

一方、「自分のため」に来場した人も大勢います。
金子澄子さん(73歳・東京都文京区)は、丸い背中でも着やすい服を見つけ、さっそく試着してみました。
デザインも気に入ったようで、思わず笑みが。「普段は市販の服を自分で直して着ているので大変。こうした服があると助かります」。

将来自分が要介護になったときを考えて来場したという人も少なくありません。
千葉県船橋市の女性(68歳)は、「親を見送って現在は一人暮らし。自分が介護が必要になってもなるべく周囲に迷惑をかけずに気兼ねなく生活できるようにと、必要な情報を探しに来たんですが、便利な商品がいろいろ出ていると知って少し安心しました」。
また、「親のためと同時に自分の老後のために来た」と話す中高年世代も数多くいました。

生活のヒント満載のセミナーも盛況

快適生活のヒントを伝授するさまざまなセミナーも開催されました。
東京都葛飾区の時田純江さん(49歳)は、「遠距離介護」セミナーに参加。
「静岡で一人暮らしをしている母のことがそろそろ心配ですが、自分は仕事があるので頻繁には帰れないんですよね。でもセミナーに参加して、いろいろなサービスも活用できるし、そんなに心配しなくてもいいんだと気持ちが楽になりました」。

「男性の介護」セミナーに参加したのは、埼玉県志木市の男性(54歳)。
「うちは私と弟の2人兄弟。いずれ両親が要介護になったら兄弟でどう分担し合おうかと漠然と思っていましたが、介護の実際を知って、多少は心の準備ができた気がします」。

奥様(79歳)が補聴器ユーザーという大平精一さん(83歳・東京都板橋区)は、「きこえ」のセミナーに参加しました。
「いまの補聴器よりも新しくて高額なものに買い換えるべきか悩んでいたところですが、自分たちのライフスタイルを考えると必ずしもその必要はないと知って吹っ切れました。さっそく妻に報告しないと」と笑顔で会場を後にしました。
 「オヤノコト.エキスポ2008」は、「身近な人も自分も共に幸せに暮らすにはどうしたらよいか」を、より具体的に見つめ直す機会となったといえそうです。

各種メディアにも取り上げられました。

記者の感想

「親のこと」をコンセプトにした展示会だけあり、会場では高齢の親に代わって熱心に出展者に質問する息子・娘さんの姿があちこちで見られました。
「こういう機能で、こういうサイズとデザインの商品がほしい」と、かなり絞った要求をする家族も。親が用具を試す際も、その様子をじっくり時間をかけて見守るなど、真剣な表情で選んでいました。

でも聞くと、こうした展示会に来るのは初めてという家族がほとんど。
来場者たちが真剣なのは、「親のため」であるからと同時に、必要なモノや情報に接する機会が現実には少ないからでもあるのでしょう。
すでにさまざまな介護系の展示会が催されている昨今ではありますが、実はもっと家族の視点に立ったモノや情報の提供が必要だったのだと、気づかされました。

(文:丸瀬景子、写真:高島秀吉)

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